火災保険と聞くと「火事による損害を補償する」保険だと認識されている方が多くいらっしゃいます。間違えではありませんが、十分ではありません。火災事故はもちろん、自然災害事故、盗難や漏水事故など様々なリスクに対し、建物や設備、商品等の所有財産が被った損害を補償します。
具体的には、火災保険の基本補償は大きく分けて、以下の5項目に分類されます。
火災事故による補償はもちろん、ガス爆発等の「爆発」による損害や「落雷」による被害も、この火災リスクに含まれます。
台風や突風、竜巻などの風が原因の損害の他、落雹による損害(雹災)、積雪・雪崩等による損害(雪災)も、この風災リスクに含まれます。
大雨を原因とする河川の氾濫、洪水や土砂崩れ等による損害や高潮等による損害を補償します。
従い、地震による津波は補償の対象とはなりません。
「建物外部からの物体の衝突(自動車の衝突など)」、「水漏れ、水濡れ損害」、「盗難による損害」、「労働争議・騒擾等による損害」を補償します。
上記、①~④に含まれない、不測かつ突発的な事故による損害を補償します。
これら基本補償が全て補償されるプランは、一般的に「オールリスク補償プラン」などと称されています。
各社ともこのオールリスクをベースに、補償をカスタマイズ(補償を対象外にする、免責金額を設定する)して保険料調整を行うことができます。
例えば、「氾濫危険のある河川が近くに無い」、「物件が高台に建てられている」等で水災リスクが低い場合は、水災補償を対象外にすることでコストダウンできます。
保険会社によっては、基本補償は「①火災リスク」のみで契約可能な商品もあります。
当然、補償を限定すればするほど、保険料は抑えることができますが、万一の事故の際に十分な補償を受けられないことを想定し、補償をカスタマイズする際には、十分吟味したうえでご検討ください。