複数の構内に物件を所有する場合、それぞれ個別に火災保険を契約するのではなく、すべての物件を包括して1保険証券で契約する方式を「多構内包括契約:マルチロケーション」といいます。
一般的に、多構内包括契約方式を採用する際には、契約の支払限度額を設定します。支払限度額を設けることで、保険料を抑えることができます。
尚、設定額は、所有する物件の中で再取得価額が一番高額な物件の保険金額となります。
例えば、A物件で火災事故が生じたとしても、離れた場所に建てられているB物件には当然、被害は生じません。従い、再取得価額が一番高額な物件の保険金額を設定しておけば、どの物件で損害が生じたとしても、補償が足りないということにはなりません。
その他に、多構内包括契約方式のメリットをご紹介します。
複数の火災保険契約をバラバラに契約していると、その契約ごとに保険証券を管理し、保険の満期を迎えるたびに更改手続きが必要になります。また、証券が複数あると万一、事故が生じた際にどの物件がどの証券だったかなど確認が必要になります。
多構内包括契約で契約を一本化すると、証券管理も簡単になり、契約更改も年1回で済み、更に、事故が起きた際の連絡などの事務作業が簡素化されます。
保険期間の中途で物件を追加しても、条件内であれば自動的に補償の対象となり、保険のかけ忘れを予防できます。
尚、報告や保険料の支払いは後日精算となります。
割引率は保険会社により異なるため、複数の保険会社を比較するとよいでしょう。
逆に、これといったデメリットは無いので、物件ごとに火災保険を契約されている方は、この機にご検討ください。