施設賠償責任保険
来店型の小売店が、まず考慮しなければならないリスクに店舗・施設に起因する損害賠償があげられます。
店舗を出店するに当たり、いかに取り扱う商品を魅力的に見せるかがカギとはなります。商品の陳列方法や照明の当て方など工夫を凝らした店舗が多く見受けられます。
しかしながら、その工夫があだとなってしまうケースもあります。
事故例
- スーパーの生鮮食品売り場の照明器具が、下にいた来店客の頭に落下してしまい重傷を負わせてしまった。
約560万円の損害賠償請求を受けた。
このような、店舗・施設に起因する損害賠償の補償をする保険に「施設賠償責任保険」があります。
施設賠償責任保険では、例えば、コンビニ等で品出しをしている際に、ペットボトルが入った段ボールを来店客に落としてしまいけがを負わせてしまったなど、一部、仕事に起因する損害賠償事故も補償しますが、昨今では様々な業態の店舗が増えたため、施設賠償責任保険では、補償されなかったり、引受が出来なかったりする事故や業種もあります。
保険会社によっては、「事業活動(業務遂行)賠償責任保険」などといった、仕事全般に起因する賠償事故を補償する商品を添加しています。
それらの保険と施設賠償責任保険を比較する際に、注意しなければならないのが「算出基礎数字」です。
算出基礎数字とは、賠償責任保険の保険料を算出する(リスクを図る)うえでの、根拠となる数字です。
事業活動(業務遂行)賠償責任保険では、一般的に「売上高」を根拠としますが、施設賠償責任保険では、「建物・敷地の面積」や「来場者人数」といった売上高以外が根拠となる業種があります。
当然、根拠数字が異なるので、保険料が大きく変わる場合があります。算出基礎数字を「売上高」とした方がよいのか「面積」等とした方がよいのかは店舗によって異なるため、両者の補償内容を含め、一度比較した方がよいでしょう。