体が資本の第一次産業においては、自身の体調管理が事業のリスクマネジメントに直結します。
しかしながら、いくら安全管理、体調管理に注意したとしても、ケガや病気リスクをゼロにすることはできません。ケガをしてしまった場合、病気になってしまった場合の治療費も事業・家計の負担となります。
ケガや病気が原因で、入院または手術を行った際に保険金・給付金が支払われる保険に「傷害保険」、「医療保険」があります。名称が似ているため、混同してしまっている方も多い保険なので、それぞれの内容・特徴を把握することが重要です。
傷害保険と医療保険の違い
傷害保険
傷害保険とは、急激かつ偶然な外来事故による傷害(ケガ)が原因で、亡くなったり後遺障害を負ってしまったりした場合や入院、通院、手術等を行った際に、定額の保険金が支払われるという保険で、損害保険会社で取り扱っている商品です。
医療保険
医療保険とは、病気や傷害(ケガ)を原因とする身体の治療を目的とした、入院や手術に対して所定の給付金が支払われる保険です。
また、付帯できる特約に「先進医療特約」があり、公的医療保険が適用されない先進医療の治療実費を補償することもできます。
医療保険は「第三分野」といって、生命保険会社でも損害保険会社でも両方の保険会社で取り扱うことのできる商品です。(実態としては、生命保険会社で取り扱うことの多い商品です。)
上記の通り、一般的に「傷害保険」は傷害(ケガ)のみの補償ではあるが、死亡時や後遺障害を負った際の補償もある保険で、「医療保険」は病気・ケガ両方に備えられる保険です。
加入時の年齢や健康状態などにもよりますが、同程度の補償とした場合、一般的に傷害保険よりも病気も補償される医療保険の方が保険料は高額になります。
一次産業におけるリスクと保険選び
一次産業における仕事とリスクを考慮すると、傷害保険の方が重要だと判断できます。
事故例
- 農作業を行っている際に、誤って用水路に転落してしまい、右足に後遺障害を負ってしまった。
上記例のように、後遺障害を負ってしまった場合、傷害保険に加入していれば、障害等級に応じた保険金を受け取ることができます。
一方、医療保険では、入院をした場合または手術をした場合の給付金となるため、後遺障害を負ってしまったこと自体の給付金はありません。
一次産業では、身体を動かす作業が多いため、ケガのリスクはつきものです。とはいえ、病気のリスクが全くないわけではないので、傷害保険と医療保険のバランスを考慮した保険加入が望まれます。